シニア女性向け雑誌『ハルメク』を展開するハルメクホールディングスの代表取締役社長、宮澤孝夫さんが2024年12月5日、「カンブリア宮殿」に出演。
コンサルタントから経営者へと転身し、傾いていた同社を立て直して業界トップに導いた宮澤さん。その背景には、幼少期からの海外経験や負けん気の強さ、そして常に新しいことに挑戦し続ける姿勢がありました。
本記事では、人生の転機となった出来事や、家族構成、仕事への想いまで、詳しく探っていきます。
- 宮澤孝夫さんのプロフィール
- 宮澤孝夫さんの家族(妻・子供)
- 宮澤孝夫さんの経歴
- ハルメクについて
- 仕事で大切にしていること
50代以上の女性から高い支持を集め、国内の #雑誌 販売部数が1位の定期購読誌「#ハルメク」を発行する #ハルメクホールディングス(東京都/宮澤孝夫社長:以下、ハルメクHD)。https://t.co/YY6xy57PLC
— DCSオンライン(ダイヤモンド・リテイルメディア運営) (@D_R_M_online) November 11, 2024
ハルメクホールディングスの代表取締役社長、宮澤孝夫さんについて興味のある方は、是非ご覧ください。
宮澤孝夫さんのプロフィール
プロフィール
- 生年:1956年生まれ(68歳)
- 出身:神奈川県
- 1歳から7歳までニューヨークとロンドンで過ごす
- 帰国後は神奈川県葉山町で育つ
幼少期の海外生活は、宮澤さんの人格形成に大きな影響を与えました。日本に帰国した際には逆カルチャーショックを経験し、環境の激変に苦労しつつ「自分を失わない子ども」として成長。この経験が、後の経営者としての強みにもつながっていきます。
宮澤孝夫さんの学歴
- 高校 :神奈川県立横須賀高等学校 卒業
- 大学 :東京大学 卒業
- 大学院:東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 修了
- 留学 :UCLAビジネススクール MBA取得
高校時代から際立っていた宮澤さんの個性。塾や家庭教師に頼らず、独学で東京大学に合格。これは「人と同じことをするのが大嫌い」という信念の表れでもありました。
宮澤孝夫さんの家族(妻・子供)
宮澤さんの家族構成については公表されていませんが、日常生活や趣味の様子から、その私生活の一端が垣間見えます。
- 趣味:ゴルフ、ジム、新しい施設巡り
- 休日の過ごし方:仕事が趣味と語る
- ストレス解消法:運動、旅行、ハイキング、映画鑑賞
家族と過ごす時間よりも、個人的な活動や仕事に重きを置いているような印象を受けますが、これは経営者としては普通?
一方、大学時代については
- 大学時代は合コンの幹事をよく引き受ける
- 調整事が得意だったため、人と人をつなぐ役割を担う
- 初恋の相手とは大学生の時に交際
思い出深いエピソードが残されています。当時の彼女とは、お金はなかったものの工夫を凝らしてデートプランを考案。実家のある葉山や湘南エリアをドライブしたり、横浜中華街で食事を楽しんだりと、青春らしい思い出を作っていたようです。
しかし、宮澤さんが大学院に進学し、彼女が先に社会人になったことで生活サイクルが合わなくなり、別れを迎えることになったらしいのですが、このようなエピソードかからは、宮澤さんをサポートする素敵なご家族がイメージされます。
実際、ハルメクのサービスを考えても、ご家族については公表されていないだけかもしれませんね。
宮澤孝夫さんの経歴
- 1982年:株式会社野村総合研究所 入社
- 1992年:ボストン・コンサルティング・グループ 入社
- 1996年:株式会社テレマーケティングジャパン(現:TMJ)入社
- 2003年:TMJ代表取締役CEO就任
- 2009年:いきいき株式会社(現:ハルメク)代表取締役就任
- 2018年:ハルメクホールディングス代表取締役社長就任
宮澤さんの経歴の中で最も印象的なのは、安定期にあったTMJのCEOの座を離れ、経営危機に陥っていたいきいき株式会社(現ハルメク)の再建を引き受けた決断です。
この転身は、経営者として大きな冒険。TMJでは、発展途上の会社を大きく成長させることには成功。しかし、その中で宮澤さんに生まれた新たな問い。
「本当の経営のプロとは何か?」という問いです。その答えとして、「傾いた会社を再生できてこそ、本物の経営者と言える」という結論に至ったのです。
ハルメクでの再建は、簡単な道のりではありませんでした。当時、同社は民事再生手続き中。しかし宮澤さんは、既存の事業構造を根本から見直すことからスタート。
そこから、情報コンテンツ(雑誌)、物販、イベント運営という3つの事業を、それぞれ独立して運営するのではなく、有機的に結びつける戦略を打ち出します。例えば:
- 情報コンテンツで質の高い記事を届け、新規顧客を獲得
- その顧客のニーズを捉えた商品を物販で展開し、収益を確保
- 人気企画をイベント化して読者との直接的な信頼関係を構築
この三位一体の戦略は、見事に功を奏します。特に、雑誌『ハルメク』は、50代以上の女性に向けた情報誌として、発行部数32万部を超える人気誌へと成長。女性誌カテゴリーでトップの座を獲得するまでに至りました。
そして2018年には、持株会社としてハルメクホールディングスを設立。現在では、シニア女性の暮らしを総合的にサポートする企業グループへと発展を遂げています。
宮澤さんは「人間万事塞翁が馬」という言葉をよく口にします。一見マイナスに思えることでも、それを次のステップの糧にできる。この哲学が、ハルメクでの成功を支えた原動力の一つだったのかもしれません。
ハルメクHD社長・宮澤孝夫氏 先入観排し企業を再建https://t.co/Szm0lfMuLv
— Bookness and Thereness 本と出版と情報とその周辺のニュースまとめ (@Bookness2) June 21, 2023
ハルメクについて
ハルメクは、50代以上の女性に特化したメディアとして、独自のポジションを確立しています。
- 月刊誌『ハルメク』は発行部数32万部超
- 女性誌カテゴリで第1位の発行部数を誇る
- 書店では入手できず、定期購読のみの販売形態
この特異な事業展開の背景には、シニア女性層に対する徹底した理解があります。宮澤さんは、社内に存在していたシニア層への先入観を一掃することからスタート。スタッフの思い込みではなく、実際の読者の声に基づいて事業を展開していく方針を打ち出したのです。
具体的な取り組みとして特徴的なのは:
- 葉書によるアンケート調査の徹底実施
- 読者との対面での意見交換会の定期開催
- 読者の本音に基づいた記事制作と商品開発
その結果、読者からは「ハルメクは私の友達」という声が多く寄せられるようになりました。さらに興味深いのは、読者自身が「私たちもハルメクをより良くしたい」と、積極的にアンケートに回答してくれるような関係性が築けたことです。
雑誌の内容も、シニア女性の実需に応えるものとなっています:
- 健康に関する実践的な情報
- 生活を豊かにする知恵や工夫
- 美容に関する年齢に適した提案
- 料理のレシピや栄養情報
- 家計やお金の管理に関するアドバイス
一方で、このような独自路線ゆえの誤解も生まれています。「宗教誌ではないか」「怪しい雑誌ではないか」といった声も一部にあるそうです。しかし、これは書店での取り扱いがなく定期購読のみであることや、自己啓発的な記事を掲載していることから生まれた誤解だと考えられます。
宮澤さんは、このような誤解があることも承知の上で、あえて従来の女性誌の常識にとらわれない編集方針を貫いています。なぜなら、読者である50代以上の女性たちが「本当に必要としている情報」を届けることこそが、最も重要だと考えているからです。
実際、ハルメクの購読者からは:
- 「年齢に見合った内容で参考になる」
- 「今の自分にふさわしい食べ物の選び方や生き方がわかる」
- 「親世代が楽しみにできる企画力がある」
といった高い評価を得ています。
このように、一見すると制約とも思える「定期購読限定」という販売形態も、読者との強い信頼関係を築くための戦略的な選択。シニア女性という市場は、今後も右肩上がりで増加していく巨大マーケット。ハルメクは、この市場において独自の地位を確立し、さらなる成長を続けています。
これらの事業展開は、宮澤さんの「シニア女性の幸せを追求する」という経営理念を体現したものと言えるでしょう。
仕事で大切にしていること
- 放電(実践)と充電(学習)のバランス
- 決めたことは必ず実行する姿勢
- 「人間万事塞翁が馬」の考え方
宮澤さんの経営哲学の特徴は、常に学び続ける姿勢にあります。どんなに忙しくても新しい知識のインプットを欠かさず、それを実践に活かすというサイクルを継続。
また、マイナスに見える出来事も、次につながるキャリアになり得るというポジティブリフレイミングも強みだと思えます。
ハルメク 宮澤孝夫社長「シニア層に寄り添い、物販と有益な情報の提供に注力」【40周年記念インタビュー】#ハルメク #日本ネット経済新聞 #日本流通産業新聞 #日流オンライン #インタビュー https://t.co/PWqWOlq68z
— 日本ネット経済新聞|EC&流通DXのメディア (@net_keizai) November 30, 2023
まとめ
宮澤孝夫さんは、幼少期の海外経験から培った独自の価値観と、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢で、コンサルタントから経営者へと転身。
TMJでの成功に満足せず、あえて再建中のハルメクの経営を引き受けたチャレンジ精神は、まさに彼の真骨頂と言えるでしょう。
「50代からの女性がよりよく生きることを応援する」という理念のもと、雑誌『ハルメク』を女性誌カテゴリでNo.1の発行部数へと導いた手腕は、まさに経営のプロとしての力量を証明しています。
今後も、シニア女性の幸せを追求する経営者として、『ハルメク』の成長エンジンを駆動し続けるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。