マッチングアプリを利用した大規模詐欺事件で、2024年10月に井田しずく容疑者(27)が逮捕。約90人の男性から総額1億円以上を騙し取ったとされる手口は、「第二の頂き女子」と呼ばれるほど巧妙でした。
この事件は、現代社会が抱える孤独や承認欲求の歪みという深い問題をあらためて浮き彫りに。本記事では、井田容疑者の生い立ちから、プロフィール、経歴を遡り、事件の本質に迫ります。
- 井田しずく容疑者のプロフィール・生い立ち
- 井田しずく容疑者の経歴
- 事件の概要
- 事件の動機
- 井田しずく容疑者の現在
井田しずく。「託児所代が払えない」こうウソをついて、マッチングアプリで知り合った男性を次から次へと騙し、恋愛感情を抱かせて金を騙し取っていた女が逮捕された。被害総額は1億円以上。典型的な #ロマンス詐欺 だ。男性諸君はこの顔を覚えておき、女が出所しても絶対に関わってはいけない。 pic.twitter.com/NJTzlq2Ntm
— 世間はこいつらを忘れてはならない (@dont4get7) November 23, 2024
「第二の頂き女子」、井田しずく容疑者について興味のある方は、是非ご覧ください。
井田しずく容疑者のプロフィール・生い立ち
- 名前 :井田しずく
- 年齢 :27歳(2024年現在)
- 身長 :158cm
- 出身地:東京都板橋区
- 学歴 :高校中退
- 現住所:住居不定(逮捕時)
- 職業 :無職(逮捕時)
東京都板橋区の住宅街で、井田容疑者は大家族の一員として育ちました。実家は一軒家でしたが、近所付き合いはあまり活発ではなかったといいます。
実家の親族は取材に対し「もうずっと会っていないし、本当に迷惑している。縁を切りたいといえばそうだけど家族だからできない」と、複雑な家族関係を覗わせる発言。
祖父は「気の強い性格だった」と振り返り、幼い頃から周囲との関係に課題を抱えていたことを明かしています。両親との関係性については詳しく語られていませんが、2人の子供を実家に預けるなど、実家との繋がりは完全には切れていない状況が続いています。
井田容疑者の中学時代は地元の学校でテニス部に所属。部活動よりも年上の不良グループとの交友関係が目立ちましたが、転機は高校進学後すぐの中退。この頃から人生に暗雲が・・・
井田しずく容疑者の経歴
- 中学時代:地元中学でテニス部に所属、不良グループとの交友
- 高校時代:入学後まもなく中退
- 結婚歴
第1回:17-18歳で地元の先輩と結婚、出産後に離婚
第2回:元ホストと結婚、男児を出産後に離婚
- 子供
第1子:実家で養育
第2子:実家で養育
高校中退後、井田容疑者は北区のパチンコ店でアルバイトとして働き始めます。そこに常連客として来店していた地元の先輩に声をかけられ、交際がスタート。まだ10代後半という若さで最初の結婚生活をスタート。
この結婚で第一子を授かりますが、結婚生活はすぐに破綻。子育ては実家の両親に任せ、歌舞伎町のキャバクラで働き始めます。
そこで客として来店していたホストと出会い、これが2度目の結婚に。当時、夫は横浜市でホストクラブを経営しており、「刺青がやたらあっていかつい男」だったと近隣住民は証言しています。
横浜市で夫と暮らし始めた井田容疑者は、この結婚で男児を出産。しかし、夫のホストクラブが潰れたことをきっかけに夫婦関係も破綻。2人目の子供も実家に預けられることになりました。
最終的に2人の子供の養育は実家の両親が担うことになり、井田容疑者自身は歌舞伎町での夜の生活を深めていくことになります。
歌舞伎町に戻った井田容疑者が、ホストクラブに入り浸る生活を始めたのはこの頃です。
事件の概要
井田しずく容疑者による詐欺事件は、2016年から2024年まで約8年もの長期にわたって続きました。警視庁の捜査によると、2021年3月から2024年10月までの間だけでも、少なくとも90人の男性から総額約1億円を詐取した疑いが持たれています。
被害の実態
最も被害額が大きいのは千葉県市原市のAさんで、約2400万円を騙し取られています。Aさんは民事訴訟を起こし、2023年に約2200万円の支払い命令が出されましたが、1円も返済されていない状況です。
それ以外に確認されている主な被害例は:
- 千葉県市原市Aさん:約2400万円
- 都内の男性:373万円
- 最古の被害者Bさん:300万円(2016年8月から)
- 山形県の会社員男性(34歳):34万6000円
- 都内の男性(33歳):34万6000円
- Cさん:30万円
手口の特徴
井田容疑者は一度も被害者と会うことなく、巧妙な手口で金銭を詐取していました。そして、その金銭要求理由として:
- 「キャバクラの給料が盗まれ、託児所代が払えない」
- 「親の借金を肩代わりして貯金ができなかった」
- 「今日中に滞納家賃を支払わないといけない」 などを挙げ、緊急性を強調していました。
さらに被害者の同情や信頼を得るため:
- 殴られた顔の写真
- リストカットの写真
- 下着姿の写真
- 札束の写真(返済能力のアピール) などを送付。時には「死にたい、人生詰んだ」といったメッセージで心理的な圧力をかけることも。
詐取金の使途
騙し取った金は主に以下の用途に使用したことがわかっています。
- インターネットカジノでの遊興
- 歌舞伎町のホストクラブでの豪遊(シャンパンタワーなど)
- 高級ブランド品の購入(バレンシアガ、グッチの服や財布)
逮捕までの経緯
2024年に入り、立て続けに3度の逮捕:
- 2024年10月:最初の逮捕(詐欺容疑)
- 2024年11月7日:2回目の逮捕(詐欺、窃盗容疑)
- 2024年12月6日:3回目の逮捕(373万円詐取容疑)
警視庁は共犯の可能性も視野に入れて捜査を継続。被害総額は更に増える可能性があります。本件は、マッチングアプリを悪用した新しい形の詐欺事件として、デジタル時代における象徴的な事例となっています。
第2の“頂き女子りりちゃん”か…「ロマンス詐欺」手口で男性90人から1億円だまし取った疑いで無職の井田しずく容疑者(27
— たか (@boataka580) November 7, 2024
ロマンス詐欺とは
結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種
こんな娘に騙されないように注意 pic.twitter.com/G7cp7NFmqs
事件の動機
井田容疑者による大規模詐欺事件の表面的な動機は、警察の調べに対して本人が「インターネットカジノやホスト遊びに使った」と供述している通り、遊興費の調達にありました。
しかし、その行動パターンと手口からは、より深い心理的要因が浮かび上がってきます。
承認欲求の歪み
幼少期から見られた虚言癖や注目を集めようとする行動は、成人後も形を変えて気永続。マッチングアプリでの自己プロフィールでは、「優しい」「素直」「おおらか」という理想的な人物像を演出。さらに「一児のママ」「シングルマザー」という立場を強調することで、男性たちの保護欲求に訴えかけていました。
この承認欲求は、ホストクラブでの行動にも表れています。75万円以上の未払い金を作ってまでシャンパンタワーを注文し、その様子をSNSに投稿する行為は、他者からの賞賛や注目を強く求める心理の表れといえるでしょう。
支配欲の充足
被害者との関係性において特徴的なのは、金銭的な支配に加えて、心理的な支配関係も構築しようとしていた点。下着姿の写真を送る、「結婚したい」というメッセージを送る、自傷行為の写真を送るなど、相手の感情を巧みに操作していました。
現実逃避的傾向
2人の子供を実家に預けたまま、自身は歌舞伎町での夜の生活に没頭していく様子からは、責任ある大人としての生活から逃避しようとする傾向が読み取れます。インターネットカジノへの依存も、現実の問題から目を背けるための手段だったと考えられます。
共感性の欠如
被害者の中には母親から借金をしてまで金を工面した人もいましたが、井田容疑者はそうした被害者の苦境に対する共感や罪悪感を示していません。これは、自己中心的な欲求充足が他者への配慮よりも優先された結果といえます。
人間関係の道具化
注目すべきは、井田容疑者が被害者と一度も対面することなく関係を維持していた点です。これは、現実の人間関係を築く能力の欠如というよりも、むしろ他者を金銭的利益を得るための「道具」として割り切って扱う傾向を示しています。
結婚歴や子育ての放棄からも、深い人間関係を築き維持することへの無関心さが読み取れます。他者との関係は、その時々の欲求を満たすための手段として捉えられていたと考えられます。
井田しずくの現在
警視庁に身柄を拘束されている井田容疑者の現状は以下の通りです:
- 弁護士以外との接見が制限
- 使途をホストクラブ等と認める供述
- 返済の見通しは立っていない
- 共犯者の可能性も視野に捜査継続中
今後の公判では、約8年という長期間にわたる犯行の全容解明が期待されています。
キャバ嬢ゆうこと井田しずく容疑者から、私にも連絡がきていた。
— 世界性覇 (@ugaikman) November 7, 2024
News zeroで手口が紹介されていて、思わず笑ってしまった。
こんなのに騙される人がいたとは驚いた。
ここで注意喚起してあげれば良かったかな。#井田しずく#ロマンス詐欺 pic.twitter.com/CEfcL0yLY2
まとめ
井田しずく容疑者による詐欺事件は、デジタル時代特有の新しい形の犯罪として注目を集めています。
国民生活センターによると、マッチングアプリ関連の金銭トラブル相談は2018年度の45件から2023年度には1017件へと急増。この事件はその象徴的な事例と言えます。
この事件から学ぶべき課題として、以下の点が挙げられます:
- オンラインコミュニケーションにおける信頼性の確保
- 若者の健全な自己肯定感の育成
- デジタル時代の新しい犯罪への対策強化
今後は、被害の回復と共に、同様の事件を防ぐための社会的な取り組みが求められています。特に、マッチングアプリを介した詐欺被害の急増は、私たちの対人関係の在り方に大きな警鐘を鳴らしているといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。