貴重な古美術作品を次世代へと繋ぐため、その復元の技術に“神の手”と称される人物がいます。それが美術古陶磁復元師の繭山浩司さんです。
繭山さんは、日本のみならず世界中の美術館やコレクターから信頼される第一人者。その息子・悠さんも、父の背中を追いかけ、技術を受け継ぎながら共に歴史を守り続けています。
この記事では、そんな繭山親子の経歴や復元師という仕事の奥深さについて紹介していきます。
- 親子三代続く復元の道
- 繭山浩司さんのプロフィール
- 繭山浩司さんの経歴
- 繭山悠さんのプロフィール
- 繭山悠さんの経歴
- 繭山浩司さん・悠さん親子の日常
- 復元師の技術・承継
- 復元師になるためには?(参考)
【あすの #日曜美術館 は…】
— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) April 2, 2022
「神はその手に宿る 復元師 繭山浩司」
どんなに割れたやきものでもまるで傷などなかったかのごとく復元し、“ゴッドハンド”の異名をとる #繭山浩司。その驚きの技に迫る。
【出演】繭山浩司 繭山悠 藤田清 千宗屋 太田光 https://t.co/uxPYGetx7I pic.twitter.com/2Ridhn9wpv
美術古陶磁復元師、繭山浩司さん、繭山悠さん親子について興味のある方は、是非ご覧ください。
親子三代続く復元の道
戦後の日本で。陶磁器修復の第一人者として「直しの繭山」と称された父・繭山萬次さんから受け継いだ修復技術を更に発展させた繭山浩司さん。そして浩司さんの息子の悠さんも、この伝統を受け継ぎ、修復の技を磨き上げている日々
親子三代にわたり、陶磁器の修復技術を守り続けているのが繭山ファミリーです。
この親子三代にわたる修復の歴史は、家族の絆と職人としての誇りに支えられた道のりであり、技術の進化とともに、次世代へとその技が継承され続けています。
昨日、「日曜美術館 神はその手に宿る 復元師 繭山浩司」をご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
— 繭山悠 (@yumayuyama) April 4, 2022
各方面からご好評いただき、感謝申し上げます。
これからも精進を重ねて参りますので、皆様におかれましては今後とも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 pic.twitter.com/Qz2hoEJCol
繭山浩司さん(63歳)のプロフィール
プロフィール
- 1961年、東京都目黒区に生まれる。
- 1982年から父の元で修復技術を学び始める。
- 1991年、独立して「繭山晴観堂」を設立し、修復師としてのキャリアを築く。
- これまでに5000点以上の作品を修復。
- 国宝級の陶磁器の修復も手がけている。
浩司さんのキャリアは、精緻な技術と長年の経験によって熟練。美術館やコレクターからの信頼は、その仕事ぶりに対する評価、最大の証です。
繭山浩司さんの学歴
- 高等学校を卒業後、明治大学に進学。
- 父から修復技術を学びながら実務経験を重ねる。
繭山浩司さんの経歴
- 1982年、修復技術を学び始める。
- 1991年、「繭山晴観堂」を設立し、独立。
- 数多くの美術館や個人コレクターから修復依頼を受ける。
- 2015年、「創造する伝統賞」を受賞。
浩司さんの修復技術は、一つの美術品に新たな命を吹き込むだけでなく、美術品を通じて歴史や文化を次世代に伝える役割も果たしています。
繭山悠さんのプロフィール
プロフィール
- 1989年、東京都で生まれる。
- 幼少期から父の作業を見て育つ。
悠さんは幼い頃から修復の現場を身近に感じて育ちました。そのため、技術に対する理解、そして修復に対する情熱は自然と養われました。
繭山悠さんの学歴
- 高校卒業後、武蔵野美術大学造形学部建築学科に進学。
- 2011年に卒業し、父の元で修復技術を学び始める。
繭山悠さんの経歴
- 2011年、繭山浩司の指導のもと修復技術を学び始める。
- イベントやワークショップで、修復技術の魅力を伝える活動を行う。
- 多くの修復プロジェクトに携わり、父と共に技術を受け継ぎ発展。
悠さんの修復技術は、父と同じく緻密で繊細。父とともに作業を行う中で、次世代への技術の承継が進んでいます。
繭山浩司・悠親子の日常
- 自宅にある工房で日々作業を行う。
- 修復作業にはカッターナイフや特殊な光源を使用し、細部まで繊細な処理が必要。
- 一つ一つの工程が親子の慎重な作業で進められる。
繭山親子の共同作業は、職人としての誇りと緊密な信頼関係で成り立っています。浩司さんが全体の監督や最終チェックを行う一方で、悠さんは実際の修復作業を担当。
親子の間では、作業の途中で相談や意見交換が行われ、最適な修復方法が探求されます。このような協力体制が、伝統を守りつつ新しい技術の進化をもたらしているのです。
親子の作業は一見すると静かですが、その裏には計り知れない技術と集中力が詰まっています。こうした日々の細かな作業が、完璧な修復を支えています。
作業中、浩司さんは長年の経験に基づき微細なチェックを行い、必要に応じて悠さんに的確な助言を提供。悠さんもまた、現代の知識や技術を持ち込み、父と共に新たな修復のアプローチを試みます。
二人はそれぞれ異なる視点を持ち、異なる年代の感性が交じり合いながら作業が進められるため、作品ごとに最適な修復方法が見つかります。
復元師の技術・承継
- 浩司さんが見守る中、悠さんが作業を担当する場面多数。
- 一つ一つの工程は慎重に行われ、必要に応じて父子で相談しながら進める。
- 親子での意見交換が次世代の修復技術の発展を支えている。
- 日常の作業を通じて、浩司さんは自らが編み出した修復技法や知恵を悠さんに伝授
- 修復の過程で、新しい課題や技術的な難題に直面すると、親子で一緒に試行錯誤を重ね、解決策を見つけ出す。
このような細やかなやりとりで技術の継承は日々行われ、繭山家の高い修復技術を更なる高みに押し上げています。
親子の密な連携と信頼関係が、彼らの作品に生命を吹き込む原動力です。
【今週末の #日曜美術館 は…】
— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) April 1, 2022
「神はその手に宿る 復元師 #繭山浩司」
禁断と言われる技がある。バラバラの器も、この通り。
人目を忍び、戦後磨き抜かれてきた、知られざる“復元師”の世界。
【出演】繭山浩司 繭山悠 藤田清 千宗屋 太田光 https://t.co/uxPYGetx7I pic.twitter.com/4SB5fpQl3d
復元師になるためには?(参考)
参考までに、復元師を目指したいという人に向けて、一般的な過程を説明します。
- 文化財修復を学べる専門学校や大学への進学が一般的。
- 東京藝術大学の文化財保存学専攻などが代表的な学びの場。
- それに加えて現場での実習や博物館・美術館での勤務経験が必要。
復元師として求められるのは、技術だけでなく、歴史や文化への深い理解です。長い研鑽の中で得た知識、見識、技術が、美術品の復元に新たな命を吹き込む鍵となるため、修練期間は自ずと長期化するものと思われます。
まとめ
繭山浩司さんと息子の悠さんが展開する美術古陶磁復元は、家族の伝統と新しい世代への技術継承が一体となったものです。
修復という表舞台には出ない仕事ながら、その技術の価値は計り知れません。多くの美術品が未来へ引き継がれる背景には、繭山親子のような職人の手が存在しているのです。
彼らの仕事は、日本の文化遺産を守り続ける重要な役割を果たしており、これからも求められ続ける極めて重要な技術です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。