山北栄二郎wiki経歴・プロフィール【JTB社長】

コロナ禍という未曽有の危機の中、JTBの舵取りを任された山北栄二郎社長。

その手腕による業績回復は、日本の観光産業における新たな時代の幕開けを象徴。本記事では、山北社長のプロフィール、経歴、そしてその信念から、JTBの未来への展望について読み解いていきます。

この記事でわかること
  • 山北栄二郎氏のプロフィール
  • 山北栄二郎氏の学歴
  • 山北栄二郎氏の経歴
  • 山北栄二郎氏の信念

JTB社長、山北栄二郎氏について興味のある方は、是非ご覧ください。

目次

山北栄二郎氏のプロフィール

  • 生年月日:1963年11月17日
  • 年齢  :61歳(2024年時点)
  • 出身  :福岡県
  • 座右の銘:耐雪梅花麗
  • 趣味  :絵画鑑賞
  • 影響を受けた実業家:サティア ナデラ

山北社長の人柄を最もよく表しているのが、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOから影響を受けたという点です。

ナデラCEOは、クラウドコンピューティングへの大転換を成功させた経営者として知られており、山北社長もまた、デジタルトランスフォーメーションを推進しながら、JTBの伝統的な強みである「人と人とのつながり」を大切にする経営スタイルの確立に挑戦してきた経緯があります。

趣味の絵画鑑賞も、絵画が持つ時代や文化を越えて人々の心に訴えかける力に着目すれば、山北社長が目指す「交流創造事業」との共通点が見えてきます。

そして、コロナ禍という厳しい冬を耐え抜いてこそ、より美しい花を咲かせることができるという決意が込められた座右の銘、「耐雪梅花麗」。

実際に、山北社長は就任直後の危機的状況下で、本社ビルの売却や従業員3割削減という厳しい決断を迫られましたが、その後のJTBの復活は、まさにこの座右の銘を体現するものとなりました。

このように、山北社長のプロフィールからは、伝統と革新のバランス、人間性の重視、そして危機に立ち向かう勇気という、現代のビジネスリーダーとして必要な要素を見出すことができます。

山北栄二郎氏の学歴

  • 高校:福岡県立福岡高等学校 卒業
  • 大学:早稲田大学第一文学部 卒業

福岡高校時代は、国際港湾都市である福岡という土地柄の影響も受けながら、既に世界への関心を深めていました。父親からの「これからの時代はボーダレスだ。国境のない時代になるぞ」という言葉は、若き日の山北氏の心に深く刻まれ、後の人生の指針となっています。

早稲田大学第一文学部での学びは、彼のグローバルな視野を広げる転機。英語ディベートクラブでの活動では、徹夜で資料を調べ、留学生との交流に没頭する日々。

この経験は、単なる語学力の向上だけでなく、異なる文化や価値観を持つ人々との対話力、そして論理的思考力を培う貴重な機会となりました。

就職活動では、「国際交流を通じて、世界で活躍したい」という明確なビジョンを持ち、様々な業界の面接を受験。その中で日本交通公社(現JTB)のオフィスを訪れた際の、英語での会話が飛び交い、タイプライターでTelexを打つ音が響きわたる国際的な雰囲気に強く魅了されたといいます。

このように振り返ると、山北社長の学生時代は、後のJTBでのグローバル展開や、「交流創造事業」という新しいビジョンの確立につながる重要な基盤となっていると考えてもよいでしょう。

山北栄二郎氏の経歴

入社から~国内担当

  • 1987年:日本交通公社(現JTB)入社
  • 1992年:海外旅行営業部 マーケティング担当
  • 1993年:首都圏営業本部 営業開発担当
  • 1998年:経営企画部 経営企画チーム

海外旅行需要が急激に伸びていたバブル経済絶頂期から、バブルの崩壊。激動時代にマーケティングや営業開発という最前線のポジションを経験したことは、後の経営判断に大きな影響を与えたはずです。

グローバル展開期

  • 2006年:旅行事業本部グローバル戦略担当部長
  • 2007年:Universal Netlink A/S 取締役副社長
  • 2008年:Tumlare Corporation A/S 代表取締役社長
  • 2012年:Travel Plaza (Europe) B.V. 執行役員事業戦略部長
  • 2015年:JTB執行役員 グローバル事業本部副本部長
  • 2017年:JTB欧州代表

この時期は、山北氏のキャリアにおいて最も重要な転換点。特にヨーロッパでの経験は、グローバルな視点からの観光ビジネスの在り方を学ぶ機会となりました。欧州各地での駐在経験を通じて、観光産業における「交流」の本質的な価値を深く理解することに。

そしてこの時期に、バブル崩壊に続く社会環境の激動、リーマンショックを経験します。

JTB改革期

  • 2020年1月:JTB常務執行役員
  • 2020年6月:代表取締役社長執行役員就任

社長就任直後から、前例のない困難に直面。コロナ禍による事業の9割消失という危機的状況下で、山北氏は以下の大胆な改革を断行します。

  • 本社ビルの売却
  • 従業員3割(約9,100人)の削減
  • 国内店舗145店の削減
  • 海外257拠点の削減
  • 資本金の23億円から1億円への減資

これらの厳しい決断の背景には、「事業構造の根本的な見直し」という明確な意図がありました。同時に、新たな事業戦略として:

  1. ツーリズム(旅行・交流)
  2. エリアソリューション(地域の魅力向上)
  3. ビジネスソリューション(企業のコミュニケーション課題の解決)

    この3本柱を掲げ、従来の旅行会社の枠を超えた「交流創造事業」への転換を図りました。

    改革の成果

    • 年商1兆円の突破
    • JTBグループ15社の統合
    • 新経営体制の構築

    「旅は人の心を豊かにする」という事業の本質的な価値を再定義。デジタル化の推進と人的サービスの価値の両立を図ることで、新しい時代のJTBの在り方を示すことに成功。

    「感動のそばに、いつも」という新しいブランドスローガンには、変化の時代における企業の存在意義が込められています。

    そして、現在も続くこの改革は、「第三の創業」と呼ばれ、観光産業全体のパラダイムシフトを象徴するものとなっています。

    山北栄二郎さんの信念

    山北社長の信念の特徴は、一見すると矛盾する要素を高次で統合する考え方にあります。特に注目すべき点は以下の三つです:

    デジタルと人間性の融合

    マイクロソフトのサティア・ナデラと同様に、デジタルトランスフォーメーションを推進しながら、「感動のそばに、いつも」という人間的な価値を前面に。これは単なる二者択一ではなく、テクノロジーを人間性豊かなサービスを実現するための手段として位置づける考え方と言えます。

    効率化と心の豊かさの両立

    山北社長は、効率や生産性を追求しながらも、「社員が休めば業績が上がる」という一見矛盾する発言をしています。これは、心の豊かさなくして真の生産性向上はないという深い信念に基づいた発言です。

    グローバルとローカルの調和

    パスポート所持率の低さを指摘する一方で、地域の魅力向上にも注力する姿勢も、山北社長の特徴的な考え方を表しています。

    これは単なる事業の多角化ではなく、グローバルな視点があってこそ地域の価値が際立つという考えに基づいているはずです。

    このように、山北社長の信念は、表面的な対立を超えて、より高次の統合を目指す思考に特徴があります。それは単なるビジネス戦略ではなく、人間としての在り方に基づいた思考なのではないでしょうか。

    まとめ

    山北栄二郎社長は、コロナ禍という逆風の中でJTBの舵取りを任され、大胆な改革と確固たる信念で会社を新たな成長軌道に乗せました。

    「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する」というJTBの経営理念は、まさに山北社長のビジョンそのもの。

    今後も、デジタル技術の活用と人的サービスの融合により、新しい時代の観光産業をリードしていくことが山北社長には期待されます。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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    この記事を書いた人

    管理人の0107(オトナ)です。

    これまでの経歴
    ・営業・マーケティングの仕事歴30年
    ・海外での生活10年
    ・人間心理のエキスパート

    自分を支えてきたあらゆる物・人への好奇心。そのアンテナに引っかかった情報を、斜め上からの視点、オトナの視点でまとめて行きたいと考えています。

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