名古屋市中区の大須商店街で、毎晩赤ちょうちんの灯りが路地裏を照らす。そこには、昔ながらの屋台ラーメンを守り続ける「飲飲(ヤムヤム)」の店主、稲垣一三さんの姿があります。
500円という驚きの価格で、訪れる人々の心と胃袋を満たすその魅力に、店主稲垣一三さんのプロフィール、経歴を辿りつつ迫ってみましょう。
- 稲垣一三さんのプロフィール
- 稲垣一三さんの経歴
- 屋台をはじめたきっかけ
- 屋台の場所
- おすすめメニュー
- お客様の声
お借りしてる場所の都合で、28日(火)は 12:30ごろからの 開店となります( ´•ᴗ•ก; )
— 大須 屋台ラーメン ヤムヤム13 (@yamuyamu_13) March 28, 2023
よろしくお願いします( ・ω・)ノ pic.twitter.com/oiSVVy87hx
昔ながらの屋台ラーメン「飲飲(ヤムヤム)」、そしてその店主、稲垣一三さんについて興味のある方は、是非ご覧ください。
稲垣一三さんのプロフィール
2024年現在、75歳という年齢を感じさせない情熱で屋台を営む稲垣一三さん。
三重県津市出身で、独身。毎日、重い屋台を引いて営業場所まで運び、プロパンガスのボンベも自身で交換するなど、その体力は若者顔負け。
「自分の好きなことを自由にやっている今が一番楽しい」という言葉に嘘がないことは、朝から夜まで休む間もなく働く姿からしっかりと伝わってきます。
稲垣一三さんの経歴
稲垣さんの歩みは、料理人としての深い経験に裏打ち。
喫茶店経営からスタートし、香港で知人のツテを辿って有名レストランで修業を積んだ後、大須で中華料理店、「飲飲(ヤムヤム)13」を開業。
ラーメンの他、シューマイや小籠包も人気を博し、店内に笑い声が響く人気店として、約30年にわたって地域の食を支えてきました。
屋台をはじめたきっかけ
中華料理店(飲飲13)は建物の老朽化により、惜しまれながら閉店することに。
しかし稲垣さんは、この危機を新たな挑戦のチャンスに転換。
「昭和の時代劇で見た屋台の風景」に15年前から憧れを抱いていたという稲垣さんは、2020年春、友人の大工さんと2ヶ月かけて手作りした屋台で、新たな一歩を踏み出しました。
当初は保健所に「屋台を始めたい」と相談に行くと驚かれたそうですが、営業許可も無事に取得。コロナ禍という困難な時期にもかかわらず、以来、4年以上にわたって営業を続けています。
屋台の場所
- 店名:屋台ラーメン飲飲(ヤムヤム)
- 住所:愛知県名古屋市中区大須2-26-28
大須観音から南へ30秒ほど歩いた路地裏、仁王門通裏にあるマンションの敷地に屋台を構えています。雨や風の強い日以外は、昼(正午〜午後2時ごろ)と夜(午後5時〜11時ごろ)の2部制で営業を行っています。
近隣の方々の温かい支援にも恵まれ、マンションの敷地は無償で借りることができ、向かいのネパール料理店では調理場として厨房を貸してもらえるなど、地域全体で稲垣さんのお店を支えています。
「人を助け、そして助けられ…。ずーっとやりたかった毎日ができている」という稲垣さんの言葉からは、地域との温かい絆が感じられます。
おすすめメニュー
メニューはシンプルに、ラーメン(500円)とチャーシューメン(800円)のみ。
鶏がらをベースにした昔ながらの醤油スープは、2種類の醤油を絶妙なバランスで配合し、玉ねぎの皮やトマトなど、独自の工夫も。
「普通の鶏の骨と名古屋コーチンの骨では全然違う」と語る稲垣さん。脂っこくなりすぎないよう、バランスにこだわっています。チャーシューは脂身の少ない肩ロースを半日かけて煮込み、さっぱりとした味わいに仕上げています。
具材は王道のチャーシュー、メンマ、ナルト、ネギ。子どもたちからは「こういうラーメンは食べたことがない」と新鮮な反応が。原材料費や燃料代が高騰する中でも、「屋台は安くてうまくなくちゃ」という信念を貫き、500円という価格を守り続けています。
「食べ物屋さんは、自分が美味しいと思わないとお客さんに出せない」というポリシーは、長年の料理人としての誇りを感じさせます。
お客様の声
地元のお客様から
- 居酒屋で働く女性:「ずっと来たいなって思ってました。人生初の屋台ラーメン。ドラマみたいです」
- 岐阜から通う親子:「味に惚れ込んで、週2、3日通っています」
- マンション住民:自前の丼を持参してテイクアウトするのが日課に
人生の転機にある人々から
- 福祉関係の仕事に転職した45歳男性:「このラーメンで生きる幸せを感じて、最近は楽しいです。生きていて楽しいです」
- シングルマザーの常連客:「稲垣さんの顔を見たくて週に一度は来ています」。仕事で夜不在の時は、子どもの面倒も見てくれるそう
海外からのお客様
- カナダからの観光客:4日連続で来店し、1日2杯のペースで楽しむ
- ハワイからの観光客:「グーグルマップで調べたら、200件以上の高評価レビューがあった」
留学生たちから
- ベトナム人留学生:「家族とは3年くらい会ってません。寂しいです」という想いを抱えながら、第二の家族のような存在として通い詰める
- その他、中国、ネパール、フィリピンなど、多くの留学生の心の拠り所に
深夜に見るときはご注意!💣
— ドキュメント72時間 (@nhk_72HR) February 21, 2023
今週24(金)夜10:45#ドキュメント72時間
名古屋🍜ラーメン屋台
担当はお隣り班 #100カメ から応援で来た横内D(スタンディング&すすリング&映像チェック)。聞くところによると👀取材期間、かなりガッツリ食べていたらしいです🤤#名古屋 #屋台 #ラーメン pic.twitter.com/m1QiPVD0bE
まとめ
稲垣さんの屋台は、単なるラーメン屋台以上の存在として、大須の街に溶け込んでいます。
近所に住む留学生たちにとっては故郷を思い出させる場所に。シングルマザーの相談相手として。人生の再出発を目指す人の心の拠り所として。
一度に対応できるのは4人までという限られた席数ですが、その分、お客様と一対一で向き合える時間を大切にしています。
客がいない時には、存在を知ってもらうため、屋台を引いて近くを回ることも。チャルメラは「うまく吹けなくて」と苦笑する姿に、人情味あふれる人柄が垣間見えます。
「80歳を超えてもやっていきたい」という稲垣さん。その屋台は今や、カナダやハワイなど海外からもお客さんが訪れる名所となり、200件以上の高評価レビューを獲得。
昭和の懐かしさと、人々の温かい交流が織りなす特別な場所として、これからも多くの人々の心と胃袋を満たし続けることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。